開業2年目、ことばの風呂敷をひろげてみる

開業2年目、ことばの風呂敷をひろげてみる

日記 - 2019.4.6

草原で迎えた開業2年目

春。気づけば季節がひとめぐりして、きてん企画室は開業2年目に。時が経つのははやいですね。この1年間、無事に過ごせたことにホッとしています。

支えてくださったすべての皆様、本当にありがとうございます。途中落ち込んだりもしたけれど、わたしは元気です。

ところで一昨日、わたしは広い草原にいて、とあるプロジェクトチームの合宿に参加していました。

参加メンバーの専門領域は、建築、ビジネスコンサルティング、プランニング、UXデザイン、グラフィックデザインなど。その中でわたしの位置付けは、ざっくり言うと「ことば全般」担当。

広報でもライターでも編集者でもなく、ことば全般。「プロジェクトには企画初期からことばが必要だ」とプロジェクトリーダーのKさんにお声がけいただいて、昨年から参加している取り組みです。

なんだか不思議で面白い。そして、こういう「ことば全般」の仕事が、最近とても増えています。

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ひろいひろい草原で過ごした、不思議な2日間。

「ことばの仕事」がどんどん広がっている

たとえば、新しい文化事業の計画案を周辺地域の人が理解やすい(だろう)ことばに整理し、編集する仕事。

たとえば、周年誌の原稿をまるっと読み込んで、伝わり方に誤解がないかを広報視点で確認する仕事。

たとえば、これから始まるプロジェクトのために、誰がどうやってことばや記録写真を残していくのかを検討する仕事。

そうそう、先日のことばの展覧会の編集協力だって、なかなか珍しい仕事でした。

相談内容のニッチさに毎回驚いています。どのクライアントも誰かしらの紹介でいらっしゃって、「誰に頼んだらいいかわからないんです……中田さんならできそうって聞いて」と、きてん企画室の小さな扉を叩いてくださいます。

わたしでいいのかな、もはや広報コミュニケーションの範囲を超えてるんじゃないかな、と思いつつ、頼られたからにはと試行錯誤を重ねる日々。

ことばの仕事の輪郭がどんどん広がっていくのは、大変ですが面白いですね。

(あ、もちろん、組織やプロジェクトチームの情報発信やコミュニケーションに関わる企画制作もひきつづき担当しています)

ことばの風呂敷をひろげてみる

この1年、さまざまな機会をいただいてきて、ことばにの仕事は組み合わせによって多様な可能性があるのだなぁと実感しました。

「ことば×組織経営」は今までも関わってきたことですが、たとえば「ことば×草原」「ことば×展覧会」「ことば×行政」「ことば×農業」……みたいな変わった組み合わせで、名前にしがたい役割が生まれつつある感じ。

「きてん企画室は広報コミュニケーション事務所だし、そこまで引き受けていいのかな」と、躊躇していた時期もあったのですが、2年目は堂々と受けようと思います。

「機転をきかせて、起点をつくる」に関わることばの仕事ならば、堂々と。風呂敷をひろげてみます。

そして、わたしのような曖昧な職能をもつ人間の「起点」もまたつくっていく一年にしようと思います。

よし、がんばるぞ! よろしくおねがいします。

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草原合宿にて。多様な職能を持つ人とタッグを組んでいくこともどんどんやってみたい。楽しかった……!

*トップ画像はきてん企画室名刺のラフスケッチと原画。イラストレーターの遠山敦さんからいただきました。うれしい!


*2年目でやりたいこと

中田一会 (なかた・かずえ)

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中田一会 (なかた・かずえ)

“機転をきかせて起点をつくる”「きてん企画室」の代表/プランナー。文化・デザイン・ものづくり分野の広報コミュニケーション活動をサポートしています。出版社やデザインカンパニーの広報PR/編集職、文化財団の中間支援兼コミュニケーション職を経て独立。

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