2024年1月26日、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)のトークイベントに、きてん企画室代表で、マガジンハウス〈こここ〉編集長を務める中田一会がゲストとして出演しました。
テーマは、「まとまらない社会を歩くためにー福祉に宿るクリエイティビティをたずねて」。「個と個で一緒にできること」を合言葉に、福祉をたずねるクリエイティブマガジンとして2021年にスタートした〈こここ〉。その編集部が福祉の何に魅力を感じ、創造性を発見し、誰に向けて伝えたいのか。日々考えながら進んできた歩みについてお話ししました。
メディアは多くの人に情報を届けられる反面、情報発信において強力な権力を持つことにもなるし、わかりやすく使えることは複雑な事情を単純化してしまうこともあります。新たなイメージをつくることは、バイアスやスティグマを形成してしまいかねません。また多様な活動から恣意的に選び、あるいは選ばない危うさもあります。つまり、誰かを傷つけたり、強権を振るってしまうような危うさが伴います。完璧な「良いメディア」であることは難しいけれど、「言っていることとやっていることが違う」活動は避けたい。
ーーこここ編集長・中田一会(トークレポートより)
一般消費者向けのライフスタイル雑誌出版社のなかで福祉を扱い、福祉を“たずねる”という姿勢を貫き、記事がひとり歩きしがちなウェブ媒体を舞台に……と、〈こここ〉が立つ足場はなかなか難しい位置にあると創刊時から自覚してきました。
それでも今、福祉を取り扱うことは大切だし、何よりおもしろいので多くの人に届いてほしい。そう感じて実行してきたことを、できる限りの力をこめてお話ししました。また、〈こここ〉は編集長一人がリードする媒体ではなくて、編集部メンバーそれぞれが好奇心と倫理観を持って主体的に企画を進めるチームです。その姿も伝えたくて、当日は急遽、会場にきていた編集部・佐々木将史さんにも登壇してもらいました。
会場には、福祉事業に従事する方を中心に80名以上のお客様がいらっしゃいました。質問もたくさんいただいて大変うれしかったです。質疑応答も含めた詳細なレポートはKIITOで記事にしていただいたので、ぜひご覧ください。
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“機転をきかせて起点をつくる” 千葉のちいさな企画事務所。
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