定例会議でリズムを刻もう(具体編)

定例会議でリズムを刻もう(具体編)

日記 - 2020.2.5

実際なにを会議してるの? 

定例会議はルーティンワークとしての広報において大事。すごく大事。と、いうことを前回書きました。なので今回は具体編です。

わたしの場合、毎週もしくは隔週で参加する定例会議が5社ほどあります。

それぞれ、レギュラー議題とシーズン議題があって、例えばこんな感じ。

A社定例会議
◎レギュラー議題
・直近3ヶ月ののプレスリリースネタ検討
・隔週公開する動画の進捗
・隔月発行の社内報の進捗
・SNSの指標確認
・各担当の気になること共有
◎シーズン議題
・ウェブサイトリニューアル
・コンテンツ運用の方針づくり
・新規のチャネル企画…など

B社定例会議
◎レギュラー議題
・広報戦略/レギュレーションの立案進捗
・業界動向、競合リサーチの共有
・コンテンツ企画の進捗・相談
◎シーズン議題
・スタッフの執筆トレーニング
・イベント登壇…など

A社は広報活動を長く続けてきていて、各部門のメンバーが発信チャネルを分け合って運用する体制。それぞれ経験値も高いので、ムラなく続けるための指差し確認、ネタ切れしないためのアイデア出しの場として会議を進めています。

逆にB社は、広報チームが立ち上がったばかり。自社の広報の方針、チャネル、ルールを経営陣と詰めながら、まだまだ慣れないコンテンツ制作を軌道にのせるべく細かな確認を大切にしています。

とあるクリエイターユニットの場合 

と、ここまで書くと、「かっちりした組織の会議はそうだよね」と思われるかもしれません。でも、もうすこし変速系(?)のチームでも定例会議はしています。

たとえば、わたしが“担当編集”(※“広報”ではないところがミソ)を務めるクリエイターユニット「岩沢兄弟」の場合がそう。

岩沢兄弟(法人名は「有限会社バッタネイション」)は、その名の通り、正真正銘の兄と弟の二人で結成しているものづくりチームです。

「モノ・コト・ヒトのおもしろたのしい関係」を合言葉に、家具や空間の企画制作を手掛けてきました。(たとえば神津島でこんな場所をつくったりしています↓)

そんな彼らですが、活動開始から10年以上が経ち、やっていること、つくってきたものの情報発信やアーカイブが追いつかないのが悩みでした

そこで、2019年4月からきてん企画室でお手伝いすることになったのです。

お尻をたたく月刊メルマガ 

ここで顔ぶれを紹介すると、岩沢兄弟チームは、兄(デザイナー)と弟(ディレクター)と兄嫁(企画・マーケティング)と中田(編集)の4人です。

この4人が定例で集まり、あーだこーだ言いながら情報発信をしています。

初年度の広報スローガンは、自戒をたっぷり込めて「満を持して、主張しはじめる(おだやかに)」としました。

最初に大きな目標と、発信チャネルの整理をしてからは、とにかく「考えているけど言ってこなかったこと」「つくったけど見せてこなかったもの」を表せるよう、定期的なコンテンツ更新を頑張っています。

そんな岩沢兄弟の定例会議(隔週)の内容はこんな感じ。

岩沢兄弟定例会議
◎レギュラー議題
・先月のメルマガ振り返り
・来月のメルマガ企画
・コンテンツの役割分担
・最近の活動の共有
◎シーズン議題
・ウェブリニューアル
・寄稿や登壇の内容相談…など

ポイントは名刺交換した人宛に月刊メルマガを始めたことです。

広報専任者のいないチームにとってお尻を決めておくことはとても大事。SNSの安定運用までは望めないと考えて、月末にメルマガを1本出すことだけは死守することにしました。

それが毎月のリズムになり、定例会議もきちんと続いています。

メルマガの会議用シート。内容・担当割・スケジュールを決める。

続けたら、どうなった?

岩沢兄弟の定例会議とメルマガ配信を重ねること、はや9ヶ月。ウェブサイトリニューアルをしたこともあり、少しずつ変化が起きてます。

1、ことばが出てきた! 

noteでのコラム執筆は、言語化が得意な弟・たかしさんが中心ですが、「試作とアイデア」というコーナーを公式サイトに設けることでデザイナーである兄・ひとしさんのことばも拾えるように。事例記事は兄嫁・えりさんが担当し、すべての原稿はわたしが編集に入るようにしています。

体制とスケジュールを整えることで、手がまわっていなかった言語化もだんだん出来るように。チーム内の情報共有も以前より活性化してきました。

2、応援の声が届くようになった! 

想定外だったのはリアクションです。

「楽しく読んでます!」「これ、おもしろいですね」といった感想がメルマガに返信として届いたり、SNSでもポジティブなコメント付きでシェアしてもらえることが多い。

「10年間、自分たちの情報が出せていない」という反省から始まった活動ですが、もしかしたら10年間、応援してくれる人の姿も可視化されていなかったのかもしれません。ありがたいことです。

3、「売れてきたね」と言われる!

そしてこれが一番の驚きなのですが、どうも「売れてる感」が出てきたらしく、「活躍してるね」と声がけされるようになったそうです。

確かに新しいプロジェクトや、登壇執筆の機会は少しずつ増えてはいます。が、実際のところはほぼ例年どおり。(もちろん、ここからもっと伸ばしたい気持ちはあります)。見え方ひとつ、出し方ひとつでも関係性は変わるんだなぁと思った今日この頃です。

メルマガのつくりかたは別機会に

ちなみに、岩沢兄弟のメルマガは、配信数1,800件、平均開封率39%という、小さいながらもなかなか好成績で運営できています。

そのつくりかた、考え方についてもまとめたいなぁと思いつつ、ひとまず今回は姿を現すためにも定例会議が大事だよ、という話で終わります。

では。

定例会議は大事だよ!(サビ)

中田一会 (なかた・かずえ)

Text by

中田一会 (なかた・かずえ)

“機転をきかせて起点をつくる”「きてん企画室」の代表/プランナー。文化・デザイン・ものづくり分野の広報コミュニケーション活動をサポートしています。出版社やデザインカンパニーの広報PR/編集職、文化財団の中間支援兼コミュニケーション職を経て独立。

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