ようこそ、きてん企画室の反省部屋へ。きょうは本当にあった反省案件をお届けします。
*本記事は、noteで公開中のエントリ「伝わらないスライドへの処方箋(デザインのあしらいに気をつけよう)」を転載しました。
先日、会社として初めて企画コンペに参加しました。コンペ! プレゼン! 社長っぽい!(?)と、前向きな気持ちで準備を進め、そして途中で気づいたのです。
「わたし、提案用の資料づくり、すごく下手かもしれない」と。
正直にいうと、最初は自信があったんです。レクチャーや講座を担当する仕事が多いので、スライドはつくりなれているぞ、と。
だがしかし、レクチャーとコンペのプレゼンはまったく別物。手を動かしはじめてからそのことに気づきました。
企画はできていても、提案資料での表し方がわからない。スライドをつくりこめばつくりこむほど「何かが微妙」と悩んでしまう。情報を置くだけでは伝わらない感じはいったい何なんだ……。
そこで、オフィスのシェアメイトでもあり、プロジェクトパートナーでもあるShhh Inc.の重松さんに泣きつきました。
そんな重松先生の第一声がこちら。
……嗚呼!!
その後、大変丁寧かつストレートなフィードバックを重松さんから受け取って気づきました。問題は、視覚情報として伝わらないことなんだ! と。
「赤色は注意喚起」「太字は強調」など、デザインの「要素」や「あしらい」にはそれぞれ意味があります。わたしの資料がなんだか微妙だったのは、それらを無闇に多用したり、逆の意味で使っていたから。
不安な気持ちを誤魔化すために「矢印とかアイコンとかあったほうがそれっぽいかな」などという、浅はかな下心で余計なあしらいを加えてしまう。そう、それが迷走の原因でした。
ということで、第1稿・第2稿あわせて約30件の改善リストを重松さんから受け取りました。本当に優しい! ありがたい!
この知恵をきてん企画室の中だけに留めておくのは、重松さんの無駄遣いにもほどがあるので、要点を公開したいと思います。
では、どうぞ。
タイトルスライドでダブルクォーテーションを使っていたのでとりました。ストック素材の濫用、ダメ絶対……。
もともとタイトル文字しか要素がない中扉に囲み線は不要。外しました。
電球アイコンは「ひらめき」「啓蒙(エンライトメント)」を表す。内容に沿わないのでとりました。
色をグレーに落とす(グレーアウト)は「足りない」「得られない」など「不足や未定」を表します。使いどころが間違っていたので内容に合わせて修正しました。
矢印は意味性の強いアイコン。「時間の経過」に使いたいのか「ドリルダウン」に使いたいのか明確に。
Beforeの方、要素が散っていってよくわからないですね。整えました。
同じナンバーを表すなら、丸か四角のどちらかに合わす。
相手にとってわかりやすくは基本のきですね……失礼しました!
以上、重松さんからのありがたいフィードバックダイジェストでした。本当にありがたい。(ちなみに実際の資料はもっと色々ひどかったのですが、恥ずかしいのでBeforeの全容は内緒です)
デザインとは視覚を通じたコミュニケーションのためのコードであり、ルール。ただ感覚的に装飾として扱うと「伝わらないもの」になってしまいます。
こういった基本のルールは、デザイナーではない自分も十分に気をつけないといけないし、味方にできれば心強いなあと思った次第です。
がんばろう
Text by
“機転をきかせて起点をつくる”「きてん企画室」の代表/プランナー。文化・デザイン・ものづくり分野の広報コミュニケーション活動をサポートしています。出版社やデザインカンパニーの広報PR/編集職、文化財団の中間支援兼コミュニケーション職を経て独立。